どうも、ステージ4癌患者のkknsです。
私は癌になって抗癌剤治療を始めて副作用が強かったため日常生活に支障をきたすようになっておりました。
そのため、障害厚生年金の申請を行いましたが残念ながら 不支給 となってしまいました。
そこで今回は私が社会保険事務所に提出した 申立書 を紹介したいと思います。
私が書いた申立書を悪い例として参考にしていただければと思います。
また、その申立書からどうすればがん患者が障害厚生年金を支給してもらえるかを考えたいと思います。
それではよろしくお願いいたします。
今回の記事を読んでいただきたい方
- がん患者で障害厚生年金の申請を考えている方
今回の記事を読んでわかる事
- 不支給になった申立書
- 申立書を作成するために記録を残すのが大切な事
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がんになると障害厚生年金をもらえるの?
がんになったら障害厚生年金をもらえるわけではありません。
がんの場合の障害厚生年金の認定基準と認定要領は以下の通りです。
悪性新生物=がん と読み替えてくださいね。
私は障害の程度を3級であると自認していたので障害厚生年金の申請をする事としました。
そして、認定要領で私が関係していた項目は(3)の所だと考えてました。
(3)-ア と (3)-イ の項目は癌自体が発生させる症状によって障害が発生している場合ですね。
これは私には当てはまりませんでした。
(3)-ウ はがん治療(抗癌剤等)における副作用に対して障害が発生している場合です。
これが私に当てはまりました。
ここで書かれている 障害 とは「がん治療を始める前と治療中の現在とで日常生活においてどんな差(不便)があるか」という事と病院のソーシャルワーカーさんに教えてもらいました。
しかも、この差というのは収入が減ったとか収入が無くなったという事は審査の対象にならないそうです。
つまり、
この障害厚生年金は働きながらでも受給できる可能性があるという事です。
がん患者で障害厚生年金の申請をした事がない人は障害厚生年金を調べてみてください。
受給できる可能性があるかもしれません。
特に上記(3)-ア や (3)-イ に当てはまる方は受給できる可能性は高いかもしれませんね。
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抗癌剤治療の副作用で苦しんでいたのに障害厚生年金を受給できなかった
病院のソーシャルワーカーさんも社会保険事務所の方も言ってたのですが、がんによる障害厚生年金の受給はとても難しいそうです。
特に私のように上記(3)-ウ がん治療(抗癌剤治療)の副作用による障害での申請は難しいそうです。
障害厚生年金の申請は
- 病院が発行する診断書等
- 時系列を自分で記入する申立書
を中心に書類のみで審査しますが、書類のみで審査するからこそどうしても審査が厳しくなるそうです。
(例えば「人工肛門を増設した」や「手足が欠損した」などは現在の日常生活の不便さがハッキリとしてるので障害厚生年金は受給しやすいそうです。)
障害厚生年金を申請する本人ができる事というのは、上記2.の申立書をいかに作成するかだけです。
しかも、その申立書は時系列で書いていくので日々の記録を残しておく事が大切になります。
がん患者の方で記録を残すクセがない人は、ノートでも日記でもブログでもTwitterでもどんな媒体でも良いので日々の体調や所感を記録するクセを付けてください。
それは、障害厚生年金を受給しようとした時も役立ちますが、主治医との診察の際にも役立ちます。
是非、がん患者の皆様は日々の記録を付けてみてください。
↓↓↓ ちなみに私は癌になってからの日常をブログに残してましたが、これが申立書を書く際に役にたちました! ↓↓↓
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私が書いた不支給の結果になった申立書を公開します
ここで私が書いた申立書を公開します。
あくまで私は障害厚生年金は不支給となりましたので悪い例として参考にしていただければと思います。
↓↓↓ 以下私が書いた申立書の原稿(令和3年6月現在) ↓↓↓
平成28年2月から
平成30年9月19日まで
平成28年2月 健康診断の検便において潜血が認められていたため、N病院にてCTスキャンを含む精密検査を行った。その際は軽い憩室炎という診断結果であった。
平成29年12月頃より疲れやすくなるなど徐々に体調が悪いと感じることが増えたが加齢によるものと思っていた。
平成30年9月中旬頃より起床時に腹部の痛みと肛門周辺に鋭い痛みを感じるようになり、日中も腹部の痛みを感じることがあったが、痛みがない時もあったので営業及び重労働を含む現場作業の仕事は継続していた。
平成30年9月20日から
平成30年9月24日まで
平成30年9月20日 起床時の痛みが大きくなり、起き上がることが困難になった。そのため会社近くにあるN病院を受診した。その結果、当初は平成28年2月の診断結果よりS状結腸憩室炎が疑われ、点滴を行ったうえで内服薬をもらいその日は帰宅する。その後痛みは起床時だけでなく日中にも出るようになって会社に行っても仕事ができずに休憩室で休んでいる事が多くなった。
平成成30年9月25日から
平成30年11月28日まで N病院入院
平成30年9月25日、腹部と肛門周辺の痛みが強くなってきたため再度N病院を受診した。緊急入院しての検査を勧められたが入院の準備が出来ていなかったので入院は翌日からとした。
9月26日~10月1日まで 当初は食事療法と点滴のみの内科的療法を行う。
10月2日 状態が改善しないためCTスキャンを再度行った結果、腸に穴が開いて 腹膜炎を起こしている可能性がある事がわかったため内科的療法から外科的手術に変更となる。
10月5日 S状結腸切除の手術を行う。その際に腸に穴が開いていたので腹腔内を洗浄し人工肛門の造設を行った。また、憩室炎では無く癌の疑いもあるため切除部分と周辺のリンパを病理検査に送る。術後に腸閉塞を起こしイレウスチューブを挿入し、その治療を受ける。
10月末 病理検査の結果癌であることがわかりその告知を受けた。リンパへの転移は無くS状結腸がんステージⅡとの診断であった。
10月31日 抗癌剤投与のためのCVポートを取付けたが、1週間程度で血栓がつまってしまいCVポートから点滴ができなくる。
11月12日 人工肛門閉鎖の手術を行う。
11月28日 N病院退院
9月26日の入院から11月に退院するまでの間、数度の手術や術後の合併症などにより、長期間、安静の生活をしてきたため筋力が衰え、11月初旬までは車椅子を利用し介助を要する状態となり、リハビリのため社会復帰までに時間を要することとなる。
平成30年11月29日から
平成30年12月2日まで 自宅療養
人工肛門閉鎖の手術跡の痛みが強く、思うように体が動かせなかった。散歩しても20分程度でその場にうずくまる程だったため、仕事には復帰できずに自宅療養をしていた。また、がん治療は癌の専門病院であるG病院で受けるため、N病院に紹介状を書いてもらいG病院に転院した。
平成30年12月3日から
平成30年12月9日まで G病院通院
12月3日G病院初診。術後補助化学療法としてゼローダとオキサリプラチンを組み合わせるゼロックス療法で行うと説明を受ける。抗癌剤投与の初回は抗癌剤治療との相性をみるため入院して行った。手術跡の痛みは少しずつ軽くなってきたが、抗癌剤の副作用がどう出るかわからなかったため仕事への復帰時期は副作用を確認してから判断する事となり、休職を継続した。
平成30年12月10日から
平成30年12月14日まで G病院入院
上記の期間入院し抗癌剤の投与とその後の経過を確認した。N病院で取り付けたCVポートは血栓のため使えなかったのでオキサリプラチンを静脈から点滴にて投与した。オキサリプラチンを点滴した方の腕は点滴時の痛みのため半日程度力が入らない状態だった。抗癌剤の副作用としては「手先足先の痺れ」「しゃっくり」「倦怠感」はあったが、入院中は重篤な副作用は出なかったため12月14日予定通り退院した。(休職期間:平成30年9月26日~12月24日)
平成30年12月15日から
令和1年7月3日まで G病院通院
この間G病院に8回通院した。
平成30年12月15日から令和1年5月28日 抗癌剤投与のために7回通院
令和1年6月24日 経過観察のCT検査の結果が良好だったので以降3ヶ月間隔で通院し、経過観察を行うと指示があった。
仕事については、平成30年12月25日より仕事に復帰したが、力をいれると手術跡やCVポートがある右肩付近に痛みが出てしまい、手術前と同じ現場作業が出来なくなっていた。そして抗癌剤の副作用の「倦怠感」から起床するのが困難となり、出勤時間をずらして出勤をしていた。また、「手先足先の痺れ」や「しゃっくり」により客前に出ることも少なくなってしまった。それらの事より客先訪問が中心の営業の仕事でなく、抗癌剤投与期間は事務仕事中心の仕事へ変更してもらった。抗がん剤を投与しながらの仕事には復帰したものの病気になる前と同じように働くことが困難な状態であり、今までの生活を変更せざるを得なかった。
抗癌剤の副作用は回を重ねるごとに強くなり、事務仕事でも「倦怠感」のため休憩を多く挟まないと仕事ができなくなっていった。日常生活でも「倦怠感」が強く出ていて、「手先足先の痺れ」により冷たいもの(水など)に触れなくなったり、重い物を持てなくなってしまっていたので家事も出来ずにベッドの上で休むことが多くなった。
その後、白血球の値が急激に悪くなってしまったため6回目の抗癌剤投与より抗癌剤を減量し、7回目の抗癌剤投与よりオキサリプラチンが中止となった。
令和1年7月4日から
令和1年7月6日まで G病院入院
G病院で使えなくなっていたCVポート抜去の手術のため入院。
令和1年7月7日から
令和2年1月31日まで G病院通院
この間G病院病院に7回通院した。
令和1年10月 大腸カメラの結果、癌の再発無し。
抗癌剤治療を終了してから徐々に体調を取り戻し、10月頃より現場作業を含む営業の仕事に戻っていた。
12月 CT検査の結果、肝臓に癌の転移を発見。ステージⅣと告知され、今後の治療方針は外科的手術で肝臓を切除する可能性が大きいと説明を受け、MRIによってさらに精密な検査を受ける。
令和2年1月 「2.5cm程度の癌が肝臓に有り、それを摘出するために肝臓の30%程度を摘出する。場合によっては胆のうや胆管も摘出する。」と手術の説明があり、エコーや呼吸機能検査など手術前の検査を受ける
仕事については、令和1年12月に癌の転移が発見され、令和2年1月27日より手術のため会社を再度、休職することになる。
令和2年(2020年)2月1日から
令和2年2月22日まで G病院入院
G病院に肝臓摘出のための入院。
令和2年2月3日 肝臓摘出の手術⇛肝臓は50%程度摘出し、胆のうも摘出した。
術後の経過は「お腹の張り」「不眠」「腰痛」はあったが、順調であった。
令和2年(2020年)2月23日から
現在 G病院通院
この間にG病院に24回通院した。
令和2年3月 肝臓切除の手術の術後の経過の確認を行った。「ここまでは順調」との事
令和2年5月 CTスキャンを行い、当日中に肝臓に癌の再発の告知を受ける「この症状だと2年から3年で亡くなる方が多い。」「完治は難しい。できるだけ長く健やかに過ごせるような治療をしていく」「今後は『ゼローダ』『イリノテカン』『アバスチン』を使用して延命を治療の主たる目的とする」「手術ができるタイミングがあれば手術を行う」「抗癌剤治療はエンドレス(死ぬまで)行う予定」と今後の治療方針の説明を受ける。
令和2年5月19日から 抗癌剤治療が始まる。
抗癌剤の副作用として「倦怠感」「下痢」「吐き気」「食欲不振」「脱毛」がみられる。「下痢」は1週間に1回程度有り下痢が始まると下痢止めを飲まないと止まらずに、「吐き気」と「食欲不振」のため一時期は3kg近く体重が落ちてしまい体力が著しく低下した。そして、「脱毛」の影響で外見上の変化があるため外出時に他人の視線が気になるようになる。これらの副作用により外出できずに終日家に居るが、「倦怠感」が強くほぼ終日ベッドで横になって過ごしており、日常生活においても家事全般は家族に任せきりな状態である。
仕事に関しても「倦怠感」によってベッドから起き上がるのが困難で、「下痢」「吐き気」によって急にトイレに駆け込まなければいけなくなる状況があるので、営業職で外回りをしたり現場作業で体を使ったりすることはとてもできない。また、「脱毛」による外見上の変化により客先には出づらい状況である。抗癌剤の副作用でさらに体力低下する事や感染症予防の点を考えると現場作業や営業で客先を回る事は難しく、主治医と相談し休職を継続することになった。(休職期間:令和2年2月1日~現在)
↑↑↑ ここまでが私が書いた申立書の原稿(令和3年6月現在) ↑↑↑
病院のソーシャルワーカーさんや社会保険事務所の方には「良く書けてますが、それでも審査は厳しいと思います。」と2人共同じ事を言ってました。
結果その通りとなりました。。。
皆様は私の申立書の原稿を読んでどう思うでしょうか?
この状態でも障害厚生年金は受給できませんでした。
もちろん、病院の診断書は私が書いた申立書と整合性が取れています。
私も厳しいとはわかってましたが、実際に不支給の通知が来て落胆したのを覚えてます。
⇑⇑⇑ 私が愛用してるハゲ隠しの帽子です。冬場はコレ1枚では流石に寒いですが、室内で使用してます。価格も税込み1,000円なので楽天お買い物マラソンのついでに買うのも良いですね。また、サイズもSSがありますので小顔な女性の貴方も試してみてくださいね。(ちなみに私は170cm64kg Mサイズを購入しました) ⇑⇑⇑
年金事務所から来た不支給決定通知
ここで年金事務所から来た不支給決定の通知をアップしたいと思います。
難しい言葉で書いてますが、要は私の抗癌剤の副作用は障害の程度は3級と認めないという事ですね。
今でこそ状態は良くなってますが、その当時は抗癌剤の副作用がとてもシンドく「これでもダメなのか。」と思ったものです。
ま、やれる事はやったので仕方がないです。。。
まとめ
- がん患者が障害厚生年金を受給するのは難しい
- 障害厚生年金の申請でがん患者が自分でできる事は申立書を書く事のみ
- 申立書は時系列で書くので日々の記録が大切
- 病院のソーシャルワーカーや社会保険事務所の方に相談しながら書類作成しよう
障害厚生年金の申請を考えている方は上記の事を覚えておいてください。
そして、私と同程度の状態ならば障害厚生年金の受給は難しいと考えてください。
「それならば申請しない方が良いのか?」というとそういう訳でもありません。
それでも、申請する意味はあります。
申請時より体の状態が悪くなった場合は適宜障害厚生年金の申請ができますので一回申請する事でそのデータが次に使えるのです。
ま、そうならない事を祈りますけどね…。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
こういった社会保障制度というのは自ら申請しないと受給できる可能性は0%です。
こんな本を読んで自分が受給できる可能性ある社会保障制度を探してみるのも良いかもしれませんね。
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