どうも、ステージ4癌患者のkknsです。
今回は私が癌になってから読んでとても影響を受けた本を紹介させていただきます。
私はこの本の内容を100%肯定している訳ではありませんが、気づいたらこの本に書いている事を実践しています。
そして、そのおかげで病状の割には心が安定していると考えています。
ですから、私は癌患者の方にこの本を一度読んで頂きたいと考えています。
この本に書いてある事で自分が実践したいと思う事があれば実践すれば良いし、違うと思うのであればそれはそれで構いません。
私は癌患者の方が自分らしく生きられるヒントになればと思いこの本を紹介させていただきます。
それではよろしくお願いいたします。
今回の記事を読んで頂きたい方
- 癌患者の方
今回の記事を読んでわかる事
- 自分らしく生きられるヒント
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「私のがん患者術」とは
著者の井上平三さんは朝日新聞の記者をされていた方で、癌を患いご自身の体験を紙面にて連載されていた方です。
井上さんは既に亡くなられておりますがその連載とご自身の病気の進行の中、がんと共生しつつ「少しでも自分らしく生きたい」と願い、十年間の闘病の体験から「私のがん患者術 十か条」を作ったそうです。
ご自身の闘病の過程とその十か条がこの本の中心になります。
闘病の過程は新聞記者らしく客観的に冷静に書かれているのが特徴で、井上さん自身の痛みや悩みも読んでいると伝わってきます。
私は癌告知から1年半の時にこの本に出会いました。
がんとの共生、闘いというのは私が想像してたよりもはるかに険しいという事をこの本を読んで知りました。
私自身はこの本の内容を全て肯定して井上さんの書かれている通りに生活している訳ではありません。
けれども、私の考え方や行動はこの本を読んでから大きく変わる事となりました。
特に変わったのが精神面での安定です。
癌患者の方で日々何をして良いのか、何をしたらいけないのか不安な方には特に読んで頂きたい本となっています。
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私のがん患者術 十か条
ここで井上さんが作った「私のがん患者術 十か条」を紹介いたします。
細かい説明やそこに至るまでの井上さんの経緯等は本を読んで頂くとして、井上さんが挙げている「私のがん患者術 十か条」に対して私がどのような考え方を持っているかを書かせていただきたいと思います。
- 人生観を変えて治療にのぞむ
- がん告知されたら再発を覚悟する
- 気持ちのコントロール術を覚える
- 医師と医療を過信しない
- 痛みや苦しみは大げさに伝える
- 治療記録を克明に付ける
- 治療法や薬の情報を得る
- 高価過ぎる民間・代替療法には注意する
- 家族や周囲への気兼ねは禁物
- あしたへのささやかな目標を作る
1.人生観を変えて治療にのぞむ
治療にのぞむにはそれなりの覚悟が必要だという事だと思います。がんを告知された当初は私はそういった覚悟を持てていませんでした。
しかし、がんという病気を知れば知るほどそういった覚悟というか開き直りが自然と芽生えてきました。
今では家族や仕事との関わり方も含めて人生観は大きく変わり、細かい事は気にしないようになり精神的に楽になりました。
2.がん告知されたら再発を覚悟する
私はがん再発の覚悟を持たないままがんが転移・再発してしまいました。
私はそれまでがんを甘く見ていたので「切ったら治る」と思っていました。
しかし、現実は甘くなくがんの転移・再発を聞いた時に私は大きなショックを受けてふさぎ込んでしまいました。
がんを告知されたばかりの方に対しては脅かす訳ではありませんが、がん告知された時から再発を覚悟していた方が良いと思います。
その方が気持ちの浮き沈みが少なくがんと闘う気力が保てます。
一度心が折れるとそこから立ち直るのに余計な力が必要になってしまいます。
3.気持ちのコントロール術を覚える
私は自分の気持をコントロールするのが苦手です。
全てにおいてポジティブシンキングする必要は無いと思いますが、ネガティブな気持ちよりはポジティブな気持ちが良いに決まっています。
ですから、私は自分の気持をコントロールするのでは無く、できるだけ物事を楽しもうと考えるようになりました。
自分で自分の気持ちはコントロールする事は難しくても、周りの物事に楽しませてもらえるようになれれば良いのかなと考えています。
4.医師と医療を過信しない
私は今の主治医とは合っていると思いますが、少し物足りない所があるのも事実です。
必要以上に主治医を信頼して任せっぱなしにするのではなく、主治医と会話した内容を自分の中で噛み砕いて必要であればセカンドオピニオンを利用していこうと考えています。
5.痛みや苦しみは大げさに伝える
私はこれを実践しています。
それは私がかなりの「かまってちゃん」だからです。
でも、そうでもしないと主治医も看護師さんも私の方をシッカリと見てくれないような気がするので、私は井上さんと同じように痛みや苦しみは大げさに伝えるようにしています。
多分私は主治医から「ちょっとうるさい人」というイメージを持たれていると思います。
また、それぐらいがちょうど良いかなと思います。
6.治療記録を克明に付ける
私はこれを実践しています。
記録を残す事で後から振り返る事ができます。
抗癌剤の副作用の対応など記録をつけておくと心が落ち着いていられます。
そして、自分の病状を記録として残す事で後で自分の経験を他の人に伝える事ができるとも考えています。
7.治療法や薬の情報を得る
私は最近Twitterで治療に関わる情報を得るようにしています。
特に抗癌剤の副作用への対応に関しては「薬を早めに服用する」「食事は食べられる時に食べられるだけ食べて食欲がない時には無理しない」等々先輩方のアドバイスは本当に役に立っています。
この点においては医療関係者からの情報よりもがん仲間からの情報の方が的を得ていると強く感じています。
8.高価過ぎる民間・代替療法には注意する
私は標準治療をやり切る事を念頭に置いています。
今まで自分なりに調べた結果そのような思いに至りました。
人によっては考え方が違う方もいると思いますが、私は人類が今まで積み重ねてきたデータを信じて標準治療をやり切ります。
それは「5年生存率」等の自分にとって不都合なデータも受け止めているという事でもあります。
9.家族や周囲の気兼ねは禁物
私はまだまだできてません。
それでも私が自分中心というか自分の体調中心に物事を考えるようになってきた事は事実です。
そして、家族や周囲の人達がそれを理解しようとしてくれるので、私はとても恵まれているのだと感じています。
10.あしたのささやかな目標をつくる
私は比較的メモ魔なので手帳に明日のスケジュールを書いてささやかな目標を達成しています。
そうすると気分が良くなりまた手帳に明日の予定を記入していく事になります。
スケジュールを自分で立ててそれを達成するための行動こそが、その日その日を生きる活力になると考えています。
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まとめ
私がなぜこの本に惹かれたかと考えたのですが、恐らくこの本の著者の井上さんが医療従事者ではなく一般の方だからだと思います。
がんを告知されてから何冊かがん関連の本を読んだりインターネットで調べたりしましたが、そのほとんどが医療従事者の方が書いた物でした。
つまり、がんを治す専門家が書いた物です。
著者の井上さんは医者でも無ければ看護師でもありません。
がん患者です。
つまり、がんを体感している専門家ですね。
お医者さんはがんには詳しいですが、がん患者の気持ちはわからないと思います。
ですから、私はがんを体験した井上さんが紡ぎ出す言葉に惹かれたのだと思います。
私はがん患者のかたには一度この本を読んで頂きたいと思います。
そして、「私のがん患者術 十か条」の中から一つでも自分に役立ちそうな物があればそれを実践して頂きたいのです。
井上さんが考えたように「がん患者が自分らしく生きられるヒント」を一人でも多く掴んでいただけたら幸いです。
この本に興味をお持ちでしたら実際に手にとって読んで頂けたらと考えております。金額も高くはありませんので気になる方は次のバナーをクリックして内容をご確認ください。